話せない4

犬さん

俺は犬だ。

この世には喋れる動物が数多くいるが、俺は喋れない。
「ワン」か「バウ」くらいしか言えない。

だが、考えることは出来る。人間のように。
俺の飼い主がそれに気づいているかどうかはわからないが。
 
今、俺はご主人様(娘)に散歩をしてもらっている。

幸せだ……。

犬(……ん?)

その時、犬の目にあるものが映りこんだ。

猫

犬「バウバウ!(ここで会ったが百年目! 成敗してくれる!)」
猫「!!(ビクッ)」

直後、犬は野良猫に飛びかかった。

娘「コラ! やめなさい!」

が、娘に強くリードを引っ張られたため、突撃は阻止された。

首輪が犬の首に深く食い込む。

犬「キャイン(ぐえぇ)」
娘「猫に襲いかかっちゃ駄目って、いつも言ってるでしょ!」
犬「クゥ~ン(だって~)」

犬と娘のそのやり取りに、猫はホッとしたような顔をしながら口を開いた。

猫「ニャォ~ン(あーもう、びっくりするわー。心臓に悪いからやめてや)」
犬「バウバウ!(よくもいけしゃあしゃあと、そんな事が言えるな! 貴様、我が主に何をした!)」
猫「ニャ?(え?)」
犬「バウバウ!(しらばっくれるな! 主の服にお前の匂いが残っていたぞ!)」
猫「ニャォ~ン?(え? ああ、うん、まあ、この間一緒に遊んだからなあ)」
犬「バウバウ!(遊んだだと!? 何をした!)」
猫「ニャオン(え、まあ、触れ合いとか)」(※お腹をなでてもらいました)
犬「バウ……?(触れ合い、だと……?)」

見せられない

猫「ニャオン(道具を使って遊んだりもしたなあ)」(※ねこじゃらしのことです)
犬「バウ……!!?(道具、だと……!!?)」

見せられない

犬「バウバウ!(ぶっ殺す!)」
猫「ニャア!?(なんでや!?)」

犬は再び野良猫に飛びかかった。

娘「だから、駄目だって!」
犬「キャイン(ぐえぇ)」

が、先と同じように娘の手によって突撃は阻止された。

娘「ほら、もう行くよ!」
犬「キャインキャイン(あ、待って、せめて、せめて一太刀!)」

そして、犬はそのまま娘に引きずられていった。

猫(なんやったんや……)

この日、大きな溝が犬と猫の間に出来上がった。
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テーマ : オリジナル小説
ジャンル : 小説・文学

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No title

なんてエロイ犬((((;゚Д゚))))!

思考が汚れすぎてますね(・ω・)☆
ウチの某キャラを思い出し、妙に親しみを感じた犬様でした。

Re: No title

彼はじゃれ合いという大義名分のもとに、娘のスカートの中に頭を突っ込みに行くタイプの犬なんです。
いやあ、本当に汚れきっていますね。
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稲田 新太郎

Author:稲田 新太郎
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