シヴァリー 第二十五話

第四章表紙

”神秘はさらに輝きを増し、呪いとなってアランを戦いの場に連れ戻す”

   ◆◆◆

  舞台に上がる怪物

   ◆◆◆

 翌日、アランが未練を残したその戦場にて、一つの動きがあった。

「ちょっと、バージル、突然どういうことなの!?」

 陣中にて、リーザはバージルに対し声を上げていた。

「さっき言ったこと、冗談よね?」

 リーザの言葉に、バージルは首を振った。

「……冗談では無い。私は今日、ここを去るつもりだ」
「一体、どういうつもりなの? ジェイクが死んだ今、ここの総大将はあなたなのよ?」
「だから、総大将の座はお前に譲ると言っている」

 話にならない。そう思ったリーザは質問を変えることにした。

「……ここを離れるにしても、せめて理由を話してからにしてちょうだい」
「どうしてもやりたいことが出来た。そのためにある人を訪ねようと思っている」
「やりたいこと?」
「自分の器を計りたい、と言うのが正しいかもしれない」
「……」

 リーザには、バージルが何を言いたいのかさっぱり分からなかった。

「俺の兵はお前に預ける。……迷惑だろうが、よろしく頼む」

 そう言って、バージルはリーザに背を向けた。
 
   ◆◆◆

 一ヵ月後――

 大陸の中央、切り立った山々が連なる偉大なる者の地で、リックは訓練を続けていた。

「……」

 手のひらの上に乗せた石に、魔力を通す。
 ふわりと、石が浮かび上がる。
 静かであった。石は空中で静止しており、僅かな揺らぎも見受けられなかった。
 どれくらいそうしているのか、リック自身分からなくなるほどの時間が流れた頃、その耳に透き通るような声が届いた。

「かなり上達したようですね、息子よ」

 突然の母の声。リックは思わず手を止め、振り返った。
 足音は聞こえなかった。いつから自分の後ろに立っていたのか。
 リックの母クレアは、驚く息子を前に、足元にあった手ごろな石を拾い上げ、口を開いた。

「受け止めてみなさい」

 言うや否や、クレアはその石をリックに向けて投げた。
 それは放物線を描くゆるやかな軌道であった。
 母は受け止めろと言った。だが普通にやっては駄目だろう。これも試験のうちの一つのはずだ。母を驚かせるように、今の自分の力量を見せ付けるように、石を受け止めなくてはならない。
 そう考えたリックは右手の人差し指だけを使うことにした。
 指の腹を上に向け、石の軌道上に構える。
 石が指に乗る。
 その瞬間、石の動きはぴたりと止まった。
 不自然であった。僅かな揺れすら無い。まるで石が指に張り付いたかのようであった。
 目を凝らすと、石の下部、指との接着部分が発光しているのが見えた。
 指からは薄い光の膜が生じていた。その光は石を包み、力強く捕まえていた。
 この結果にクレアは拍手を送った。

「見事です」

 褒められたリックは照れくさそうに笑みを浮かべたが、クレアの方は逆にその表情に真剣さを湛えた。
 そしてクレアは拍手を止め、口を開いた。

「これならば、そろそろ始めてもいいでしょう」

 この言葉にリックも気を引き締めた。
 何を始めるのか、そんな事は分かっている。クレアはリックが思ったとおりの台詞を吐いた。

「息子よ、これからあなたに我が一族に伝わる奥義を伝授します」

 遂にこの時が――リックは期待に目を輝かせた。
 だが、クレアはリックから視線を外しながら口を開いた。

「ですが、その前に――」

 クレアが目を向けた方向、そこには一人の召使いが立っていた。
 召使いはクレアに対し深く一礼した後、用件を告げた。

「当主様、お客様がお見えになっております」

 客? クレアはリックに横目で視線を送りながら首を傾げた。

   ◆◆◆

 クレアとリックは召使いの案内に従い、玄関へと足を運んだ。
 重量感のある門の前で足を止めると、召使いが口を開いた。

「門の向こうでお待ちです」

 門番が重そうな音を立てながら門を開ける。
すると、そこには一人の男が立っていた。
 その立ち姿にリックは思わず警戒した。
リックはその男の手にある武器に意識を奪われていた。
 ディーノと同じ武器を持つその男はクレアに対し深く一礼した後、その場に跪き、口を開いた。

「突然の訪問という無礼、お許し願いたい」

 頭を垂れたまま微動だにせぬ男にクレアは尋ねた。

「お名前を伺っても?」

 男は顔を上げずに答えた。

「私の名前はバージルと申します」

 クレアは顎に手を添えつつ、記憶の中からその名前を探したが、見つからなかった。

「バージル……申し訳ありませんが、存じぬ名ですね」

 バージルはここでようやく顔を上げ、口を開いた。

「盾の一族、と言えばお分かりになるでしょうか」
「よく存じています。誰にも破れぬ防御魔法を使う一族のことですね」

 クレアの言葉に、バージルは頷きを返しながら口を開いた。

「はい。私はその一族の末席に名を連ねるものです」

 素性が分かったところで、クレアは用件を尋ねることにした。

「その盾の一族の人間が、何の用なのです」

 バージルは一瞬間を置いた後、答えた。

「……不躾だと思われるでしょうが、私を鍛えていただきたいのです」

 クレアは難しい顔をしながら、その意を尋ね直した。

「……それはつまり、我が一族の技を教えてほしい、ということでしょうか?」

 これに、バージルは頷きだけを返した。

「……」

 クレアは暫し口をつぐんだ後、ゆっくりと唇を動かした。

「……申し訳ありませんが我が一族の技は秘伝。よく知らぬ外部の者に教えるなど、できることではありません」

 そう言ってクレアは背を向け、

「帰りなさい」

 と、冷たく言い放った。

「……」

 対し、バージルは跪いたまま何も言わず、動こうともしなかった。
 クレアは首をひねり、そんなバージルの姿をちらりと一瞥した後、

「連れ出しなさい」

 と、門番に命じた。
 バージルはやはり微動だにしない。門番の男はバージルの傍に歩み寄り、口を開いた。

「お立ち願いますバージル殿。名のある者に手荒な真似はしたくない」

 言われたバージルは少し間を置いた後、ゆっくりと立ち上がった。
 この時、リックは見た目では分からぬほどの戦闘態勢を取っていたが、バージルは抵抗せず、大人しく外へと出て行った。

   ◆◆◆

 三日後――

「おはようございます、母上」

 朝、食堂に姿を現したクレアに、少し遅めの朝食を摂っていたリックは挨拶を行った。

「おはよう」

 挨拶を返したクレアは息子の対面の席に座り、ナプキンを腿の上に広げた後、話しかけた。

「……あの者はまだいるのですか?」

 尋ねられたリックは頬張っていたパンを飲み込んだ後、

「はい。まだ玄関前に居座っているようです」

 と答えた。
 これにクレアは溜息を吐いた後、口を開いた。

「……まったく、困ったものですね」

 クレアは用意された朝食に手をつけず、再び口を開いた。

「今日で三日ですか」

 この三日、バージルはまともな食事を摂っていないはずだ。

「……」

 クレアは暫し悩むような顔を見せた後、傍に控える召使いに対し口を開いた。

「……湯と食事の用意をしてください」

 唐突な命令であったが、意を察した召使いは一礼だけ返し、準備のために場を離れた。

   ◆◆◆

 湯浴みと簡単な食事を済ませたバージルは、応接間に案内された。
 応接間のソファーにはクレアが既に腰掛けていた。
 バージルはクレアに手で促されるまま、対面のソファーに腰を下ろした。
 この時、バージルの心は期待で満ち溢れていた。
 ここまで来れば話は既に決まったようなものだ。自分は根競べに勝ったのだ、そう思っていた。
 だが、クレアの口から発せられた言葉は、その期待とは真逆のものであった。

「まず初めに言っておきますが、私はあなたに技を教えるつもりはありません」

 では何故自分を屋敷の中に招いたのか、その答えをクレアは語った。

「あなたには遠くから見ることだけ許します」

 それはつまり――
 クレアはバージルの目を真っ直ぐに見つめながら、その意を説いた。

「教えはしません。だから盗みなさい。我が一族の技を見て、その身に刻むのです」

   ◆◆◆

 そうして、バージルの修行の日々が始まった。
 それは孤独なものであった。言ったとおり、クレアはバージルに対し何一つ声をかけなかった。
 クレアとリックがやっていることを遠くから見て、それを真似する。バージルの修行はそういうものであった。
 そして今、バージルはあることを真似しようとしていた。
 それは手の平に乗せた石を浮かせるという、魔法制御の訓練であった。
 バージルは石を乗せた手に魔力を込めた。
 だがその直後、石は大きく弾かれ、どこかに跳んで行ってしまった。
 またか。バージルはそう思った。既に数えるのが馬鹿らしくなるほどの回数を失敗していた。
 このままやっても同じことを繰り返すだけだろう。考えなくては。
 そう思ったバージルは、今度は石を乗せず、上に向けた手の平に魔力を込めてみた。
 直後、バージルの手から防御魔法のような小さな光の膜が広がった。
 ……これでは石が弾き飛ばされるのは当たり前だ。もっと出力を抑えなくては。
 手に意識を集中させる。
 少しずつ、手から広がる光の膜が小さくなっていく。
 だがそれは長くは続かなかった。呼吸のリズムを外した拍子に、光の膜は弾けるような勢いで元の大きさに戻ってしまった。
 糞、と悪態をつきたくなる衝動をぐっと堪える。
 そしてふと、遠くにいるリックとクレアの方に視線を移す。
 見ると、二人はバージルに背を向けてどこかへ移動しようとしていた。
 時々こういうことがある。クレアは技を見て盗んでもいいと言ったが、それでもやはり見られたくないものがあるのだろう。
 そして、この後どうなるのかも大体決まっているのだ。

   ◆◆◆

 その日の夜――

 食堂でバージルが遅めの夕食を摂っていると、

「お前も今頃夕食か」

 リックが場に姿を現した。
 その右手には痛々しいほどの包帯が巻かれていた。
 それを見てバージルは「またか」と思った。
 これで何度目だろうか。二人の姿が消えた後は決まってこれである。
 当の本人はさも気にしていないような様子で席につき、

「今日は豆のスープか。悪くない」

 左手で器用に食事を始めた。

「……」

 バージルは何も言わず、リックのその右手を見つめながら食事を続けた。
 リックは見えないところで一体何をしているのか。それが気になって仕方が無かった。

   ◆◆◆

 一方、アランの国でも、ある者が動き始めようとしていた――

 大陸の南西端、アランの国の首都から見てちょうど南に位置する港町。
 その港にある薄暗く汚い倉庫の中に、数人の男達の姿があった。
 それはただならぬ様子であった。縛られ、ひざまずいている一人の老人を数人の男達が取り囲んでいた。
 縛られている老人の身なりは明らかに貴族のものであったが、その服は土と埃で茶色く汚れており、胸元は血で赤く染まっていた。

「許してくれ……リチャード」

 老人は震えながら目の前にいる男に許しを請うた。

「ん? 何を許して欲しいんだ? 懺悔なら聞いてやるぞ」

 貴族の身なりをしたその男、リチャードと呼ばれた者は、老人を見下しながら口を開いた。

リチャードイメージ

 リチャードの顔に笑みは無かった。圧倒的優位に立っているにも関わらず、その顔に浮かんでいた感情は怒りであった。

「ほらどうした? お前が何をしたのか言ってみろ」
「……そなたが『王室会議』に参加することを反対し、妨害工作をしたことは謝る、だから」

 老人は最後まで話すことができなかった。リチャードがその顔に拳を叩きこんだからだ。
 口と鼻から血をぼたぼたと垂れ流しながら、老人は言葉を続けた。

「……だから、どうか、許してくれ。この通りだ」

 この言葉にリチャードは怒りを爆発させた。

「許せだと!? 私が次の『王室会議』に出るためにどれだけの金を使ったと思う!? そのためにどれだけの辛酸を舐めたと思う!? それを貴様は……」

 リチャードはその口を止め、代わりに手を動かした。
 殴打の音が何度も場に響いた後、ようやく落ち着いたのかリチャードはその手を止めた。
 リチャードはうずくまってうめき声を上げる老人の姿を暫く眺めたあと、その拳についた血を拭いながら口を開いた。

「……もういい。お前たち、始末しろ。死体は『いつものように』箱に入れておけ」

 死刑宣告であったが、老人には既に声を上げる気力すら残ってはいなかった。

   ◆◆◆

 その後、リチャードは妻と娘ディアナを連れて船で海に出た。
 三人は甲板で心地よい潮風を浴びながら大海原を眺めていた。
 だが一人この状況を楽しんでいない者がいた。

「どうしたのディアナ? 久しぶりの海なんだから楽しまなくちゃ」

 リチャードの妻は暗い顔をしている実の娘ディアナに声を掛けた。

ディアナイメージ

「どうした船酔いか?」

 リチャードは娘の暗い顔を見ても特に何も感じなかったらしく、そんな軽口を言った。
 そしてそんな両親に対し、ディアナは何も言わなかった。

「かなり沖に出たな。この辺でいいだろう」

 リチャードはそう言いながら甲板の端に控えていた船員達に目配せした。
 主人の声無き命令に、数名の船員達は甲板の後部に向かって歩き始めた。
 そこには長方形の木箱があった。それは大人一人がちょうど入れるくらいの大きさであった。
 船員達は協力し、その木箱を運び始めた。
 海に捨てるつもりなのであろう、船員達はゆっくりと甲板の手すりの方へ向かっていった。
 ディアナはその箱をじっと見つめていた。箱には蓋がされていなかったが、ディアナの位置からではその中身を見ることはできなかった。
 しかしその時、箱を抱えていた船員の一人が足を滑らせた。
 箱は甲板の上に倒れ、外に躍り出たその中身は皆の目に晒された。
 それを見たディアナは恐怖と驚きに肩を震わせ、すぐに目を背けた。ディアナがそれを見た時間はほんのわずかであったが、脳裏に焼きつくには十分であった。
 それは血にまみれた老人の死体であった。しかし何よりもディアナを戦慄させたのは、その濁った生気の無い瞳であった。ディアナはそんなものと目を合わせてしまったのだ。

「馬鹿野郎! なにやってんだ!」

 船員の一人が怒鳴り声を上げたが、リチャードは怒らなかった。それどころか余興の一つとして楽しんだようであった。
 船員達は老人の遺体を箱に入れ直そうとしたが、リチャードが手をかざして静止の意を示したため、その手を止めた。

「もういい。そのまま海に放り込め」

 船員達はリチャードの指示に従い、老人の遺体を乱暴に海へと放り投げた。
 遺体が海中に没した音が聞こえた後、リチャードの妻が口を開いた。

「こんな派手なことをして大丈夫なの?」

 これにリチャードは平然とした顔で答えた。

「なあに問題無い。今の私に口を出せる者などいないからな」

 リチャード、彼は暴虐的な男であった。
 しかし彼がそのような振る舞いを出来るのは単純に強いからである。
 魔法力が強いわけでは無い。彼はその商才と政治的能力で上り詰めた男であった。

   ◆◆◆

 その夜――

 自室に戻ったディアナは何をするでも無く、椅子に座ったまま呆然としていた。
 その部屋は綺麗な牢獄であった。美しい壁紙と装飾品に彩られた貴族らしい部屋であったが、窓には鉄格子が付けられており、ドアには外から鍵がかけられていた。
 そしてそんな部屋を支配していた静寂は、突如ドアの向こうから聞こえてきた女性の声に破られた。

「失礼します」

 凛としたその声の後、鍵が解除される音が部屋に響き、一人の召使いが部屋に入ってきた。

「こんばんは、サラ」

 ディアナはその召使いの名を呼んだ。その顔は先ほどまでよりも僅かに穏やかになっているように見えた。
 これに召使いサラは丁寧な礼を返した後、口を開いた。

「そろそろお休みになられる時間ですが……何か御用はありませんでしょうか?」
「……特に無いわ。ありがとう」
「今日の夜の見回り当番は私なので、また御様子をうかがいに参ります。その時に何かあれば遠慮なく仰せつかって下さい」
「ええ、そうさせてもらうわ、サラ」

 召使いサラは再び主に礼をした後、部屋から出て行った。
 部屋が再び静寂に支配された後、ディアナは寝巻きに着替えてベッドに入った。
 照明は消す気になれなかった。船で見たあの老人が化けて出てくるのでは無いか、そんな妄想にディアナは怯えていた。
 ディアナは身を守るかのように布団を深くかぶり、目を閉じた。

   ◆◆◆

 深夜――

 召使いサラはランプを片手に、夜の見回りを行っていた。
 そしてディアナの部屋の前に到着したサラは、ドアに近寄りそっと聞き耳を立てた。
 中からは何も聞こえてはこなかった。次にサラは遠慮がちなノックをした。
 しかし、やはりドアからは何の反応も返ってこなかった。

(どうやら静かにお休みになられているようだわ)

 そう思ったサラはその場を離れようとした。
 だがサラはドアから数歩離れたところで足を止めた。
 振り返ったサラは再びドアの傍で聞き耳を立てた。
 サラの耳に入った音、それは呻き声であった。

「ディアナお嬢様?」

 返事は無かったが、その呻き声は徐々に大きく、はっきりしたものになっていった。

「! ディアナお嬢様?!」

 これに身を強張らせたサラは、ドアノブをにぎりつつ主人の名を呼んだ。
 そしてサラが扉を閉ざしている小さなかんぬきに手をかけた時、その呻き声は悲鳴に変わった。

「お嬢様!」

 サラは主の名を呼びながら部屋に飛び込んだ。
 部屋の主ディアナはベッドの上にいた。先の悲鳴と共に飛び起きたのだろう、ディアナは上半身だけを起こした体勢で呆然としていた。
 サラはそんなディアナの傍に駆け寄り、声をかけた。

「大丈夫ですか? ディアナお嬢様」

 見ると、ディアナは汗だくになっていた。相当な悪夢を見たのだろう。

「……このままでは風邪を引いてしまいます。着替えましょう」

 サラは着替えを取りに衣装棚のほうへ行こうとしたが、突如ディアナに服の裾を掴まれた為、その足を止めた。

「お嬢様?」

 サラはディアナの言葉を待った。しばらくしてディアナはゆっくりと口を開いた。

「……もう嫌、こんな生活」

 その言葉は悪夢とは何の関係も無かった。弱ったディアナはただその心に溜まった毒を吐き出そうとしているだけであった。

「父も、母も、この家も嫌い。私は自由が欲しい」

 その言葉を最後にディアナは口を閉ざしてしまった。召使いサラはそんな主人のそばに寄り添い、敬愛と忠心を示すことしかできなかった。

 ディアナ、彼女は「籠の鳥」であった。自由は無く、未来は父であるリチャードの手によって決められる、そんな境遇の悲しい女であった。

   ◆◆◆

 数ヵ月後――

 季節は夏を迎え、平原には青々とした草花が生い茂っていた。
 レオンはそんな甘く熱い風が吹き渡る平原に馬を走らせていた。
 彼は戦地へと向かっていたわけでは無かった。事実、レオンは数十名ほどの護衛しか連れていなかった。
 戦いが終わったわけでは無い。前線では今もアンナ達が戦っている。しかし、それでもレオンには戦場を離れなければならない理由があった。

 レオンが向かっている先、それは首都であった。

   ◆◆◆

 首都は賑わっていた。
 その理由は5年に一度開かれる「王室会議」を目前に控えているためであった。
 多くの力ある貴族達がこの地に集まっていた。ある者は金のために口を開き、またある者は政治のために足を動かしていた。
 そしてこの地まで馬を走らせてきたレオンの目的もその「王室会議」であった。
 レオンはその会議の参加者であった。力ある者だけが参加できるこの会議に呼ばれること、それそのものが既に名誉であった。
 しかしそんな権威ある会議に呼ばれたにも関わらずレオンの心は憂鬱であった。
 王宮に着いたレオンはそんな憂鬱な心を振り払うかのように力強く廊下を歩いていた。
 そんな時、宮仕えの者がすれ違いざまにレオンにこう言った。

「レオン様、間も無くお時間です。お急ぎを」

 それはわかっている。しかしレオンはこれ以上急ぐ気にならなかった。
 実は、レオンが時間に遅れかけていたのは「わざと」であった。その理由はすぐに明らかになる。

   ◆◆◆

「申し訳ない。お待たせした」

 会議室に入ったレオンは開口一番にそう言った。
 会議室の中央には円卓が配されており、レオン以外の参加者は既に着席していた。

「待っておったぞ、レオン将軍。さあ席に着いてくれ」

 この会議の仕切り役である王はそう言いながら、最後の空席に座るよう指示した。
 その最後の席、それは入り口に最も近い席、いわゆる下座であった。
 レオンはこれに安堵した。下座を狙っていたわけでは無い。最後の席であるというのがレオンにとって重要であった。

 この王室会議においてどこに誰が座るかは自由である。そういう決まりであったが、誰がどこに座るかは毎回傾向があった。
 入り口から最も遠い席、いわゆる上座に王が座る。これはもはやお約束のようなものである。
 そして貴族達はその王を中心に、出身地を元に左右に別れて座っていた。
 その基準は北の貴族か、南の貴族かであった。
 北の貴族、それは前線で敵の攻勢を食い止める者であり、カルロを代表とする「武力」で国を支えている者達のことである。
 そして南の貴族、それは海に面した港街を支配する者のことであり、「財力」で国を支える者達のことであった。
 ではレオンはどちらなのか? 彼は微妙な立場にあった。
 平原で戦線を支えていることだけを考えればレオンは北の貴族である。しかし彼の出身は南にある港街であり、本家もそこにあった。
 ゆえに彼はこの「席取り」を嫌っていた。わざと少し遅刻するのはそのためである。空席があと一つになっていれば何の気兼ねも無く座れるからだ。

 レオンは席に座りながら円卓を軽く見回し、この会議の参加者の顔を確認した。

(王を中心として右に北の貴族達、左に南の貴族達が座っているな。
 北からの参加者は……クリスの代理がハンス、カルロの代理はいつもの通りクラウス……では無く今回はアランか)

 レオンと目が合ったアランはほんの小さな礼を返した。

(ほとんど代理だな。まあ、いま戦地から離れられる将は私くらいしかいないだろうな)

 レオンは視線を南の貴族達の方に移した。

(南の貴族達は……一人を除いて、前回と変わり無しか)

 席に着いたレオンが姿勢を正してから少しの間を置いた後、王が口を開いた。

「それではこれより王室会議を始める」

 王はその身に注目が集まるのを感じた後、言葉を続けた。

「今回の議題は北の前線への援助についてだ」

 これを聞いたレオンは(やはりそれか)と思った。

 王室会議――それは簡単に言えば、誰かが損をする会議であった。
 困っている誰かに余裕のある誰かが援助をする、それを決めるのがこの会議の目的であった。
 当然損をさせられる人間は不満を抱く。だが、そのために「王」がいるのであった。「王」はこの会議における仲介役であった。

 王の提示した議題に南の貴族達はざわめいた。損をするのが自分達の誰かであるというのがわかっているからだ。
 しかし王はこれを諌めずに口を開いた。

「戦いで多くの町と田畑が破壊されたため、北の戦線はかなり苦しい状況に立たされておる。ここはそなたら南の者達の力を貸して欲しい」

 王のこの言葉に、南の貴族の一人がすぐに口を開いた。

「ですが王よ、今は我々も苦しい状況なのです」

 これに別の貴族が口を開き、言葉を付け加えた。

「働き手が足りないのです。男の奴隷はほとんど戦争に取られてしまいましたから」

 南の貴族達は頷き、お互いの顔を見合いながら好き勝手に話し始めた。

「奴隷層に残っているのは女子供ばかりです。商人の中には『種馬』をわざわざ外界から船で買い付けている者もいると聞きます」
「しかし中には子供が予想外に産まれすぎたせいで手に負えなくなり、里子に出している商人もいる模様。まあ今のところは上手く回しているようですが」

 この会話はアランにとって受け入れ難いものであった。
 何を言っているのかは理解できる。しかし、それにアランが抱いた感情は嫌悪に近い何かであった。やるせない、というのにも似ていた。

 会議はいきなり平行線をたどりそうな雰囲気になっていたが、一人の男の言葉がこれを打ち破った。

「その援助、私がやりましょう」

 その男は一斉に皆の注目を集めた。

「そなたは……」

 王はその男の名前が咄嗟に浮かばなかった。

「リチャードと申します」

 リチャード、その名を聞いたレオンは眉をひそめた。

(この者があのリチャードか。商才に溢れる男だと聞く。最近急に力をつけたようだが……悪い噂もそれ以上によく聞く男だ)

 しかし噂はあくまで噂、レオンは黙ってリチャードの言葉に耳を傾けることにした。

「今は戦乱の世。苦しい時こそ、手を取り合わねばならない私は考えております」

 これはただの綺麗事。レオンは黙ってリチャードの次の言葉を待った。

「北と南の貴族、双方は遠く別れており、役割も思想も違います。ゆえに衝突することはあるでしょう。ですが、前線で戦う北の貴族達を南の貴族達が富で援助する、この関係を変えることはできません。 
今回は私が援助致しましょう。しかし、今の状態が続けば双方の間にある溝は深くなるばかり。何らかの手を打つべきであると私は思っております」

 これに王は口を開いた。

「ふむ。それでリチャードとやら、その打つ手とやらは、何か考えがあるのか?」

 これにリチャードは「はい」と即答し、言葉を続けた。

「北と南の貴族の間で縁談の席を設けてみてはいかがかと考えております。双方が近しい間柄になれば、このような言い争いは無くなるのではないかと思っております」

 ようやく要領を得た王は口を開いた。

「つまり、援助の対価として北の貴族と『縁』を結びたい、そう言いたいのか」

 リチャードは先と同様に「はい」と即答し、続けて口を開いた。

「私にはディアナという年頃の娘が一人おります。これまで大切に育ててきた娘でございますが、この国のためとあれば喜んで差し出しましょう」

 どうしたものか、悩んだ王はレオンに意見を求めた。

「レオン将軍、どう思う?」

 この王室会議においてレオンは王の良き相談役であった。南の出身でありながら、北の武将達と仲が良いレオンの言葉は棘が無く、双方の間に亀裂を生まないため意見役として最適であった。

「……筋は通っているように思いますが、家同士を結ぶ『縁』というものは対価として強制されるべきものではないと思います。『縁』は双方の同意の上で結ぶべきものかと」

 王はしばし考えたあとリチャードの方に向き直り、口を開いた。

「リチャードとやら……仮にそうするとして、どこと縁を結ぶのが上策だと考えている?」
「最も援助額が大きいところに嫁がせてもらうのが筋でございましょう」

 これを聞いた王は、クリスの代理であるハンスのほうに視線を移しながら口を開いた。

「……では、やはりクリス将軍のところか」

 王に話を振られたハンスは目を閉じ、暫く考え込んだあと口を開いた。

「……代理である私に決められることでは御座いませぬ。返事はしばらく待って頂きたい」

 もっともな回答に、王は口を開いた。

「それではこの件は双方で相談して決めるがよい。では、この話はこれで終わりとして、次の議題に移らせてもらう――」

 王室会議はその後も長く続いたが、その間ハンスが再び口を開くことは一度たりとて無かったのであった。

   ◆◆◆

 会議が終わったあと、アランは王宮の廊下でハンスに話しかけた。

「ハンス殿!」
「おお、これはアラン殿。初めての王室会議はいかがでしたか?」
「それよりも縁談の件、本当によろしいのですか? 私は南の貴族達のことはよく知りませんが、今日の会議で彼らに対して抱いた印象は最悪です」

 アランのこの言葉にハンスは眉を僅かにひそめた後、口を開いた。

「アラン殿、ここでそのような話は――」「こんな目立つ場所でそんな話はしないほうがいい」

 突如割り込んできたその声に、アランとハンスは振り返った。
 その声の主、それはレオンであった。

「しかしその話には私も興味がある。だがここはまずい。場所を変えよう」

 そう言いながらレオンは自分についてこいと言わんばかりに軽い手招きをしたあと、アランとハンスに背を向けて歩き始めた。
 これにアランとハンスは顔を一瞬見合わせた後、レオンの後について歩き始めた。

   ◆◆◆

 レオンがやってきたのは王宮の中庭であった。
 開けた場所に三人の男。廊下よりも目立つのでは無いか、アランは一瞬そう思ったが、次のレオンの言葉がこれを掻き消した。

「内緒話をするならこういう場所で堂々とするほうがいい。今ここには我々三人しかおらず、近くに盗み聞きできるような隠れる場所も無い」

 レオンは小さな声で言葉を続けた。

「だが唇を読まれる可能性はある。口を大きく動かさずに喋るよう意識しろ」

 これにアランとハンスは頷きを返し、レオンは再び口を開いた。

「さて、今回の縁談の件だが、今のお前達に断る手段は無い」

 これにアランは「何故?」という視線をレオンに返した。

「現在、お前たち北の貴族は足元を見られている状況だ。戦いに敗れ、首都の目前まで迫られたという失態を侵したゆえに、立場が悪くなっている」
「それではどうすれば良いのですか?」

 アランの問いにレオンは答えた。

「ここは私に任せてほしい。私は南の出身だからな。ある程度顔が利く」

 これにアランとハンスは頷きを返し、レオンに話の続きを促した。

「あのリチャードについては悪い噂をいくつか聞いたことがある。そこでだ、私の部下にその噂の事を調べさせてみようと思う。どうするかはその後で良いだろう」
「申し訳ない。どうか、よろしくお願い致す」

 レオンの提案に、ハンスは丁寧な礼を返した。

「何かわかったら使いを送る。それまで適当に時間を稼いでおいてくれ」

 レオンはそう言いながら振り返り、その場から立ち去っていった。
 アランとハンスはただ信じてその背を見送ることしかできなかった。

   ◆◆◆

 三週間後の夜――

 本宅に戻ったリチャードは宴を楽しんでいた。
 その宴は首尾良く事が運んだことを祝うものであった。そして宴は狂乱の様相を呈していた。

「皆飲め、歌え! 我等の栄光と繁栄は約束されたぞ!」

 リチャードは高らかに笑いながら、酒を文字通り「ばら撒いて」いた。
 赤く芳醇な香りのワインが雨のように宴席に降り注ぐ。踊り子達や召使い達は、それを浴びながら興に乗じていった。

「全てはここからだ! 『炎の一族』に取り入り、我が家はさらなる高みへと昇るぞ!」

 リチャードはワインをあおり、再び高らかに笑った。
 妻はそんな夫の隣でただ微笑みながらワインに口をつけた。
 そして娘ディアナはそんな二人とは対照的に、冷めた目で宴を眺めていた。

 熱は冷めず、狂乱の夜はそのまま更けていった。

 リチャードが歩もうとしている道は暴虐の道、そしてそれを止められるかどうかはレオンの手にかかっていた。

   ◆◆◆

 三ヶ月後――

 クリスの城は久しぶりの慌しさに包まれていた。
 カルロがこの城にやって来たからだ。
 クリスは先にアンナが来た時以上の準備をしてカルロを出迎えた。

「カルロ将軍、ようこそ我が城に」
「うむ、手厚い歓迎痛み入るが、まずはそなたと二人だけで話がしたい。部屋を用意してもらえるか」
「かしこまりました。どうぞこちらへ」

 クリスはカルロを応接間へと案内した。
 クリスは従者に茶を用意させた後、人払いをし、カルロの対面のソファーに腰掛けた。
 カルロは茶を一口含み、唇を湿らせてから口を開いた。

「レオン将軍の使いから聞いたのだが、御主に縁談を持ち込もうとしている者がいるそうだな」
「……はい」

 クリスのゆっくりとした返事は、その「縁談」がクリスにとって好ましくないものであることを表していた。

「その相手とはどんな人間だ?」
「名はリチャード、商才に溢れた男らしく、これまでその財力で我々を大きく援助してきた者です」

 クリスは一度言葉を切り、溜めを作ったあと再び口を開いた。

「……ですが、それ以上に黒い噂も絶えない男です。現在レオン将軍がそのことについて調べてくれております」
「王室会議からもう大分経つが、そのリチャードからは何かなかったのか?」
「既に何度かリチャードからの使いの者が私の元を訪ねてきております。今のところは適当に理由をつけて会うのを避けておりますが、それも次第に難しくなってきております」
「ふむ、相手はこちらの生命線の一つである金を握っている。いつかはそれを振りかざして面会を強要してくるであろうな」

 その時、慎ましやかなノックの音と共に、臣下ハンスの声がドアの向こうから聞こえてきた。

「クリス様、お話中のところ申し訳ありません。少しよろしいでしょうか?」

 クリスはカルロに小さく礼をしながら立ち上がり、ドアの傍に駆け寄った。

「なんだ、ハンス」
「リチャードからの使いがまた来ました。如何いたしますか?」
「またか……カルロ将軍がいらっしゃるというのに……」

 心底うんざりしたような顔でそう言うクリスに、カルロは後ろから声を掛けた。

「……最近はどうやって面会を回避していた?」
「最近は体調が優れないということにしております」
「……ふむ、恐らく奴等は今日という日を狙って来たのであろうな。私がここに来る以上、城主であるお前は無理をしてでもベッドから出なくてはならんからな」

 カルロは少し考えた後、口を開いた。

「どれ、今日は私が追い払ってやろう」
「それはありがたい申し出ですが、よろしいのですか?」
「構わぬ。私が直接出向いて言えば奴等も今日のところは諦めるしかないであろう」

 そう言ってカルロは薄い笑みを浮かべながら部屋を出て行った。

   ◆◆◆

 カルロはすぐに戻ってきた。その姿にクリスは静かに頭を下げた。

「これで暫くは時間が稼げるであろう」

 カルロはソファーに腰掛け、言葉を続けた。

「しかしこんな手はいつまでも通用せぬ。クリスよ、もしレオン将軍が何の手も打てなかったら、その時はどうするつもりだ?」

 クリスは力強い眼差しを返したあと、頭を下げながら問いに答えた。

「……一族のために毒を飲まなければならないのであれば、喜んで飲みましょう」

 覚悟はできている、クリスはそう言った。これにカルロは何も言わなかった。

   ◆◆◆

 その頃、平原に駐屯しているレオンの下に、リチャードの周辺調査を終えた臣下マルクスが報告に戻って来ていた。

「それで、どうだった?」

 期待感を含んだ主の言葉にマルクスは答えた。

「結論から述べますと、黒で御座います。王室会議に出席するために殺人を犯していました」

 レオンは沈黙を返し、マルクスに言葉の続きを促した。

「リチャードの私有船の船乗りを一人締め上げたところ、邪魔者を私刑にかけた後、海に捨てていたという証言が得られました。
 それと、これは運が良かったのですが、遠く離れた海岸にその死体の一つが流れ着いていたのを発見致しました。身に着けていた遺留品から身元も判明しております」
「そうか……リチャードが危険な男であることは分かった。それで、その証拠を使って奴を失脚させることは可能だと思うか?」

 これにマルクスは首を振った。

「……残念ですが、難しい、と言わざるを得ません。リチャードはかなりの悪人を従えております。知らぬ存ぜぬを押し通した後、適当な悪人を犯人にでっちあげるでしょうな」
「そうなると後は王の裁量次第、ということか」
「はい。ですが、恐らく王は強い力を持つリチャードの家を潰そうとはなさらないでしょう」
「注意と謹慎だけで終わる可能性が高いか。それでは困るな。目的はクリスへの縁談を阻止することだ。ほとぼりが冷めればリチャードはまた行動を起こすだろう」

 レオンは少し考える素振りを見せた後、口を開いた。

「となると、残された正当な手段は決闘を申し込むくらいか。その殺された者の遺族はどうだ? 上手く決闘に持ち込んだとして、勝てそうか?」
「リチャードの方に分があるかと。恐らく双方とも代理を立てるでしょうが、リチャードの側近はかなりの力を持っております」
「それは困ったな……だがマルクス、そなたには何か別の考えがあるのではないか?」

 これにマルクスは一礼したあと、口を開いた。

「……大きな声で言えることでは御座いませぬが……蛇の道は蛇と申しますゆえ」
「構わない。具体的に話してくれ」
「リチャードの一人娘、ディアナを暗殺してしまうのが手っ取り早いかと存じます」
「……それは、確かに縁談は無かったことになるだろうが、関係者全員に疑いがかかるであろう」
「ですので、表向きはリチャードが狙われたという形にしておき、ディアナはそれに巻き込まれた、ということにすれば良いかと」
「なるほど。それで、どう仕掛ける?」
「犠牲者の遺族を煽って仕向けようと思っております。我々は同じ恨みを持つ『協力者』という立場を取りますが、正体は決して明かしませぬ」
「……となると、クリスには『調査したが良い結果は得られなかった』と嘘をついたほうがいいな。この件についてクリスは何も知らぬほうがいいだろう」

 マルクスが頷くのを見てからレオンは言葉を続けた。

「わかった。その案で行こう。マルクス、早速行動を開始してくれ」

 マルクスは「御意に」と言いながらレオンに一礼し、その場から去って行った。

 レオンはその背を見送った後、ぽつりと独り言を呟いた。

「蛇の道は蛇、か。マルクス、俺はお前のことが一番恐ろしいぞ。そしてとても頼もしくもある」

 そう言うレオンの顔には明らかな笑みが浮かんでいた。

   第二十六話 ディアナからサラへ に続く
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テーマ : オリジナル小説
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