熊さん11

俺は熊。高校生だ。

俺は今日、あるバイトをこなした。

仕事の内容は簡単だった。ある動物の着ぐるみを着て、プラカードを持って立っているだけだった。

ロッカールームで着ぐるみを脱ぎ始める。

その途中、俺は言いようの無い奇妙な感覚に襲われた。

着ぐるみ熊さん

熊「……」

熊「いや、やっぱりこれ、なんかおかしくね?」

熊「なんか、上手く言葉に出来へんけど……」

熊「なんやろこの感じ。僕じゃ駄目なんですか、黒じゃ駄目なんですか、みたいな、何かを否定されてるみたいな……」

バタン。その時、ロッカールームのドアが開いた。

姿を見せたのは雇い主だった。

雇い主「いやー、お疲れ! 着ぐるみ暑かったでしょ!」

熊は思い切って尋ねることにした。

熊「あの、ちょっといいですかね」
雇い主「ん?」
熊「終わってからこんなこと言うのアレなんですけど、僕、着ぐるみ着る意味あったんですかね?」
雇い主「え? 君は熊であって、白熊じゃないでしょ?」
熊「いや、まあ、そうなんですけど」
雇い主「え? なに?」
熊「(小声)いや……黒じゃ駄目なのかなー……って、思って」
雇い主「え? なんて? 何を言ってるのかよく聞こえなかった」

バタン! その時、ロッカールームのドアがまたも開いた。

姿を見せたのは熊と同じ白熊の着ぐるみを着た誰かだった。

?「すいません! 僕も納得いかないです!」

その者はそう言った後、着ぐるみの頭部を脱ぎ捨てた。

熊「……」

それを見た熊は呆気に取られた。

白熊「おかしいでしょ! こんなの!」

白熊の着ぐるみを着ていたのは、白熊であった。

この雇い主は白熊が好きなのでは無く、白熊の着ぐるみが好きなのであった。
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