鵺さん

鵺(歌川国芳 画、江戸時代)

司会「さあー今日も始まりました。動物たちとの愉快な一時間をお送りする番組、『アニマルパーティ』!」

司会「今日のゲストはなんと! あの伝説の妖怪、鵺(ぬえ)です!」

司会「さあ、早速登場してもらいましょう!」

カーテンが上がる。

その奥から、のっしのっしと、鵺が姿を現した。
 
鵺「いやー、僕が呼ばれるとは思ってもいなかったよー」
司会「いやね、司会の僕が言うのもあれなんですけど、まさか妖怪が呼ばれるとは……正直、僕自身どう司会すればいいのか分からなくなってますよ」
鵺「いやいや! いつもどおりで! 全然! そんな!」
司会「あ、そうですか? あー、じゃあいつもどおりに行かせてもらいますけど……wikiによると、鵺さんの格好は登場作品によってまちまちみたいですね」
鵺「うん、そうやね。作品によってパーツが変わるね。ある作品ではしっぽが蛇なんやけど、別のある作品ではキツネだったりね」
司会「へえー……。ちなみに、今日のパーツはどんな感じなんですか?」
鵺「今日はねー、ボディが虎で、手足がタヌキ、しっぽが蛇って感じかな」
司会「パーツに虎が使われることが多いみたいですけど、虎がお気に入りなんですか?」
鵺「まあね。やっぱ仕事上、相手をビビらせなあかんからね。見た目強そうな虎はよく使うね」
司会「しっぽの先っちょに蛇の頭ついてますけど、これは喋れたりするんですか」
蛇「モチのロンさ!」
司会「うわ! びっくりした! あー、やっぱりそっちの頭も喋れるんですねー」
鵺「……」
司会「あれ、鵺さん、どうしたんですか?」
鵺「え? お前、喋れたの!?」
蛇「まあな」
司会「知らんかったんですか!? え? もしかして二人が話したのこれが初めて!?」
鵺「なんで今まで黙ってたん!?」
蛇「いや……聞かれへんかったし……それに、仕事終わったらそれまで、みたいなところあるやん? 次の仕事でも蛇だとは限らんし……」
鵺「なんやそれ! ちょっと冷たくない?」
蛇「え? でも知ってたと思ってたけど……」
鵺「いやいやいや! 知らへん、知らへん!」
蛇「え? なんで? いつも心の中で喋ってたやん」
鵺「え!? それ何の話!?」
蛇「え!? あ、これ、言ったらマズかったんかな、もしかして」
鵺「心の中でって、どういうこと!?」
蛇「いやな……それはな……あー、言うてええんかな」
鵺「早く説明してくれ!」
蛇「いやな、お前が考えてることがこっちの頭に響いてたんよ、全部」
鵺「え」
蛇「最初うっとうしいなーと思ってたけど、仕事終わるまで我慢すればええだけやし……それにこっちが考えてることも全部聞こえてるんやろうなーって思ってたんやけど……」
鵺「……」
蛇「なんか、聞こえてたのこっちだけやったみたいやな」
鵺「……」
蛇「あー、なんか、ごめんな。早く言うてあげれば良かったな」
鵺「……」
司会「あの」
蛇「ん?」
司会「単純に興味で聞きたいんですけどね、その、鵺さんて普段どんなこと考えてたんですか?」
鵺「え、ちょ」
蛇「あー、そうやなー、まず、こいつの好みは巨乳や」
鵺「あ、ちょ」
司会「ほうほう、他には!?」
蛇「こいつは寝る前にいつも変な妄想してる」
鵺「ちょっと、マジでやめて!」
司会「それは、どんな!?」
蛇「よくある子供の妄想やな。自分をアニメや映画に登場させて、ヒーローにしたり、ヒロインといちゃいちゃしたりやな」
鵺「あーーーーー! ホントにやめて!」
蛇「それでな、そのヒロインがな、近所に住んでる……」

直後、鵺は蛇に飛び掛った。

だが蛇は自身のしっぽである。捕まえられるはずがない。
結果、鵺はしっぽを追いかける犬のようにその場をグルグルと回り始めた。

蛇「それで、そのヒロインと最後はしっぽりな関係になるんやけど……」
鵺「もうやめてーーーーーー!!!」

司会(あーもう、むちゃくちゃだよ)

蛇「Hシーンはいつも手順が決まっててな……」
鵺「fべvはおでrhgヴぉ;えrjg」

司会「……」
スタジオの中を駆け回る鵺の姿を見ながら、
(俺、よくこの仕事クビにならないな)と考えていた司会であった。
スポンサーサイト

テーマ : オリジナル小説
ジャンル : 小説・文学

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

稲田 新太郎

Author:稲田 新太郎
音楽好きな物書き。ゲームも好き

アクセスカウンター
(14/01/05設置 ユニーク数)
カテゴリ
最新記事
アクセスランキング
[ジャンルランキング]
小説・文学
160位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
ファンタジー
3位
アクセスランキングを見る>>