熊さん9

熊さん

俺は熊。高校生だ。

そして今、俺はめっちゃへこんでいた。
机に突っ伏したまま動く気が起きないくらい。
 
友達「なんか元気無いな、今日のお前」
熊「……」
友達「どうしたんや? 何があった?」

熊は机に顔を伏せたまま答えた。

熊「……ふられた」
友達「え? なんて?」

熊は突然体を起こし、声を上げた。

熊「ふられたんじゃ! 何度も言わすな!」
友達「ふられたって……お前、誰かに告白でもしたんか?」
熊「そうや」
友達「誰に告白して玉砕したんや」
熊「この前見せたグンバツのあの子」
友達「ああ、あの子か……どのへんがグンバツなんか俺にはわからんのやけど、とにかくご愁傷様やな」
熊「ご愁傷様ちゃうでほんま……他人事やと思って」
友達「しかし、お前のその思い切りの良さと行動力の高さには時々驚かされるわ」
熊「はいはい。褒めてくれてありがと」
友達「全然嬉しそうじゃないな。まあ、すぐには立ち直れんやろうけど、あまりうじうじしとってもしょうがないで?」

この言葉に熊は目を輝かせながら口を開いた。

熊「それでな! ワイ考えたんやけど!」
友達「突然なんや」
熊「ワイ、自分を変えようと思ってるねん」
友達「変えるってどういうことや。高校デビューみたいな感じか?」
熊「そうそう! そんな感じ! とにかくかっこよくなりたいねん! もうふられたくないから!」
友達「ああ、まあ、ええんちゃう? で? どんな風にかっこよくなりたいんや?」
熊「それをこれから決めるんや」
友達「なんか当ては無いのか? こうなりたいとか、路線とか」
熊「それをね、お前と相談しようと思って」
友達「なんも考えてないんかい。まあ、ええわ。この中から適当に決めよ」

そう言って友達はファッション雑誌を何冊か取り出した。

友達「この中から適当に参考にして決めればええやろ」
熊「さすが我が友! 伊達にチャラくないな!」
友達「チャラいは余計じゃ!」

こうして熊の改造計画がスタートした。

   ◆◆◆

次の日――

クラスメイト男子「おはよー」
クラスメイト女子「おはよー」
友達B「おう、熊、おは……ってお前、一体どうした!?」

熊は全身を黒のレザーでぴっちぴちにキメていた。

熊「モーニン。マイフレンド」
友達B「なんで英語なんだ!?」
熊「ワイは変わったんや」
友達B「変わりすぎやろ! 何があった!?」
熊「ガイアがワイに輝けとささやいたんや」
友達B「なんだガイアって!?」

ガラッ 教室のドアが開く。

教師「よーし、お前ら授業だ席につ……何だお前は!」
熊「ワイのことを呼んだか。……そうやな、例えるならワイは黒い星……ブラックスターとでも呼んでくれ」
教師「何言ってんだ! お前、制服は!?」
熊「制服か……懐かしい響きやな。それならもう、捨ててきたわ。今のワイにはふさわしくない」
教師「懐かしいってお前、昨日まで制服着てただろ!?」
熊「ごちゃごちゃ言うとらんで、始めようで、授業ってやつを」
教師「……」

その後、熊は生徒指導室に召還されてこっぴりと怒られた。

友達「この路線は間違ってたな」
熊「最初からきづけや! ノリノリでやったワイもワイやけど!」
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テーマ : オリジナル小説
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