名状し難きタコ

クトゥルフ(Cthulhu)――それは、クトゥルフ神話などに登場する架空の神性、あるいは宇宙生物のことである。
クトゥルフの登場する神話作品は数多いが、初出はハワード・フィリップス・ラヴクラフトの小説『クトゥルフの呼び声』(The Call of Cthulhu、1926年)である。
オーガスト・ダーレスの体系付けたクトゥルフ神話においては旧支配者の一柱で、「水」を象徴している。「風」の象徴であるハスター(一説にはクトゥルフの兄弟とも言われる)とは対立するものとされた。一般には、タコに似た頭部、イカのような触腕を無数に生やした顔、巨大な鉤爪のある手足、ぬらぬらした鱗に覆われた山のように大きなゴム状の身体、背にはコウモリのような細い翼を持った姿をしているとされる。
(wikiより)

――

ある海の底に、一匹のタコと一匹のタコのような何かがいました。

タコ「……はあ」

タコは少し疲れていました。

タコ?「~~♪」

対照的に隣にいるタコのような何かは超元気でした。思わず歌い出すくらいに。



タコ「……なあ」
タコ?「なに?」
タコ「その歌やめて」
タコ?「なんで?」
タコ「なんか不安になるから」
タコ?「えぇ~…」
タコ「ていうか、その歌なに? 聞いたこと無いんだけど、なんていう歌なの?」
タコ?「知らない。気がついたら歌えるようになってた」
タコ「は?」
タコ?「~~♪」
タコ「いや、だからやめてってば」
タコ?「えぇ~…」
タコ「ていうか、前から思ってたんだけど、お前、タコっぽくなくない?」
タコ?「え? どこからどう見てもタコでしょ」
タコ「いや、どこを比べてもタコじゃないよ。タコは触手にトゲとかついてたりしないから。タコはそんなに目が多くないから」
タコ?「何言ってるの?! そういういじわるは好きじゃないな!」
タコ「いや、いじわるじゃないから。ていうか、よく見るとお前、よくわからんものがついてるな。なんだこれ?」

むにゅ

タコ?「キャーーーーー!(目から怪光線)」
タコ「ギャーーーーー!」
タコ?「突然なんてとこ触るのよ! このスケベ! 変態!」
タコ「そのよくわからんものはそんなにデリケートなものだったのか?! ていうかお前は女だったの?! ていうかタコは目からビームとか出せねーから!」
タコ?「ごめんごめん。大丈夫?」
タコ「割と大丈夫じゃないよ。ちょっと焦げたよ。タコ焼きになるかと思ったよ」
タコ?「そういえばタコ焼きで思い出したんだけど、」
タコ「ん? 何?」
タコ?「最優先制圧目標は、やっぱり大阪だよね」
タコ「は? 最優先制圧目標? 何の話?」
タコ?「あれ? 命令はまだ降りてきてないの?」
タコ「は? 命令? 何の話?」
タコ?「宇宙から交信が来るでしょ? 地球を征服しろって感じのやつが」
タコ「いや、まったく来ないよ? 来ていたとしても、そんなものを受信する機能はタコには無いよ?」
タコ?「そうかー。まだまだ子供なんだね」
タコ「子供だからだとか、そういう問題じゃ無いよね?」

こんな感じで二匹は今日も一日馬鹿話をするだけに終わった。
地球を脅かすかもしれない恐怖の存在は今日も何もしなかったのであった。
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テーマ : オリジナル小説
ジャンル : 小説・文学

燃える雪合戦!

雪合戦! それは熱いスポーツである!(たぶん)
投げる雪球、その一つ一つに己の人生を込めるのだ!(そういうことにしてほしい)

そしてここにも一人、一つの雪球に己の魂を込めようとしている漢(おとこ)がいた!

漢「今日こそ決着を着けるぞ! 我が生涯の宿敵(とも)よ!」
ライバル「望むところだ、来い!」
漢「行くぞぉ! これが、今日のために編み出した魔球、『燃える雪球』だぁーーーッ!」
ライバル「なにぃーーー?!」

本当に雪球が燃えた。だからライバルはびっくりした。
この勝負の結果がどうなったかは言うまでも無いだろう。そうだね。溶けちゃうよね。
でも、相手をずぶ濡れにするという嫌がらせ効果はあったよ。

テーマ : オリジナル小説
ジャンル : 小説・文学

カレー好きのカレイ

あるファミレスでカレイと熊が食事をとろうとしていた。

店員「ご注文お決まりでしょうか?」

熊さん
熊「ワイはハンバーグ定食で」

カレイ
カレイ「僕はカレー」

店員「……え?」

カレイ「え?」

店員「……あ、カレーですね! 申し訳ありません、失礼しました」

カレイ「?」

店員は頭を下げた後、そそくさと厨房のほうに行ってしまった。

カレイ「……今の反応はどういうこと?」

熊「『僕はカレイです』って、自己紹介されたと思ったんじゃね?」

カレイ「はあ? ちゃんとカレ“ー”って言ったちゅうねん。伸ばしたっちゅうねん」

熊「まあ、店員さんが聞き間違えただけやけれども、これで一つ証明されたことがあるな」

カレイ「なにが証明されたんや」

熊「お前と一緒に居るときに『カレーが好きだ』と言ってはいけないってことや。愛の告白だと誤解されたら困るやろ?」

カレイ「はあ? 言っても大丈夫やろ」

熊「え!?」

カレイ「え?」

熊「愛の告白をしても大丈夫なの?!」

カレイ「はあ?!」

熊「……ごめん、ワイ、同性でそんな関係にはなれへんから」

カレイ「はあああ??! 違う違う! そういう意味じゃない! 言っても誤解されへんから大丈夫やろ、っていう意味や!」

熊「……」

カレイ「……」

熊「……なあ」

カレイ「なんや」

熊「お前、いつもカレー頼んでるけど、カレー好きなん?」

カレイ「え? うん、まあ」

熊「……」

カレイ「……」

熊「カレー好きのカレイ……ぷぷっ、座布団一枚やわ」

カレイ「しばくぞ!」

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ジャンル : 小説・文学

不動産探し

【タコ壺】
 タコを捕獲する目的で漁師が使う壺。
 タコは、体を保護する固い殻などを持っておらず、身を守るため普通、海底の沈み磯(岩場)の中に潜み、潮がゆるくなる時間帯を見計らい岩場から出てきては砂地などでイシガニや小魚、貝などを短時間で捕獲するが、潮が変わると慌てて住処に戻ろうとする。
 隠れる場所の少ない砂地はタコにとって危険地帯であり、ときにマダイなどの餌になることも多く、そこに絶好の隠れ場所があればタコはこれ幸いと入ってくる。海底から蛸壺を引き上げる際も、壺から逃げるタコは滅多におらず、壺の中でじっとしている。
(wikiより)

タコ

俺はタコ。

今は訳あって宿無し風来坊の身だ。

事情を話せば長くなるが、家賃滞納のせいで住んでいた岩場を追い出されてしまったのだ。ぜんぜん長くなかった。

タコ「けっ! あんなキタネエ岩場、こっちから願い下げだってんだ! Fuck!」

さて、毒も吐いたことだし、気を取り直して今後のことを考えよう。

タコ(うーん、やっぱり新しい住処を探さなきゃなあ)

さすがに今の状態はマズイ。俺はか弱いただのタコなのだ。このままでは天敵に食われてしまう。身を隠す場所を見つけなくてはならない。

タコ(どこか、いい場所は――)

額に手を当てながら、周囲を見渡してみる。

すると、妙なものが目に入った。

タコ「ん? なんだありゃ?」

近付いてみる。

蛸壺(明石)

タコ「おっ、壺じゃん。ちょうどよかった。こいつを俺の新しい住処に――」

嬉々として壺の中に入ろうとしたその時、入り口の傍に立っている看板が目に入った。

タコ「ん? 何だ?」

看板に書かれている文字を読んでみる。

『やまちゃんの賃貸住宅にようこそ!』

タコ「賃貸住宅? これは貸し物件なのか」

看板の続きに目を通す。

『当物件は敷金礼金不要! 即日入居OK!』

タコ「おっ、いいねえ。間取りはどうなってるのかな? とりあえず1Kでもいいんだけど」

『間取りは広々とした4LDK! スカイテラス付き!』

タコ「4LDKのスカイテラス付き?! あかん、これは俺の財布では手が出んわ」

『だがしかぁーし! その賃料、驚きの2万5千円!』

タコ「2万5千?! 4LDKが?! 事故物件か?」

『ご安心ください、幽霊なんて出ません!』

タコ「ほんまかなあ~。まあ、でもとりあえず中を見てみないことにはなあ」

『当物件は試し入りOK! どうぞ中を隅々までご覧ください!』

タコ「お? じゃあちょっと失礼して」

入り口のドアを開けて中に入ると、そこには驚きの光景が広がっていた。

タコ「なんじゃこりゃ……」

そこはまるで貴族の部屋のようであった。
美しい絨毯の上に豪華な家具が所狭しと並べられている。

タコ「これが2万5千? ちょっと信じられんなあ」

どっこいしょ、という感じでタコがソファーに腰掛けると、正面の机の上に張り紙が置いてあるのが目に入った。

タコ「ん? 何これ?」

『楽しんでいただけましたか? でしたら、奥の間にどうぞ。もっとすごいものがありますよ!』

タコ「奥の間?」

確かに、奥にもドアがある。

タコ「……うーん、気になるけど、まあ、それよりも先に他の所を見て回るか」

ソファーから立ち上がったタコはまず台所を見てみた。

タコ「すげー。キッチンはオール電化かー」

しかもどれも新品のようであった。

次にタコはトイレのドアを開けた。

タコ「当然、ウォシュレットか」

世界最先端のトイレだ。日本の技術ハンパねえな!

タコ「ん?」

見ると、便器のフタに張り紙がされている。

『楽しんでいただけましたか? でしたら、奥の間にどうぞ。もっとすごいものがありますよ!』

タコ「……どんだけ奥の間に行ってほしいねん」

タコは少し考えたが、

タコ「まあ、あと見てないのは奥の間だけやし、行ってみるか」

特に怪しみもせず、あっさりと決断しまった。

タコ「さーて、この奥の間には何があるのかな?」

ドアを開け、奥の間に入る。

タコ「……?」

そこは、これまでとは正反対と言えるほどに、殺風景な部屋であった。

宝箱

そんな部屋の中心に、ぽつんと、宝箱が置いてある。

タコ「なんだ? 何が入ってるんだ?」

中を覗き込む。

すると、そこには一枚の紙切れが入っていた。

それにはこう書かれていた。

『かかったなアホが!』

直後、入ってきたドアの方から、「カチャリ」という音がした。

タコ「え? なんだ?」

慌ててドアに駆け寄り、ノブを回す。

タコ「あれ、開かない!?」

ガチャガチャ やはり鍵がかかっている。

タコ「もしかして……閉じ込められた?!」

この後、一体どうなってしまうのか。タコの運命やいかに――

   ◆◆◆

たこやき

タコ村 ゆきお 享年2才 (おいしかったと評判でした)

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Author:稲田 新太郎
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