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魚と針シリーズ

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魚と針5


魚「あ~、腹減ったな~」

魚「さっさといつもの餌場に行こう」

魚「ん?」

その時、魚は海中に泳ぐミミズのようなものを見つけた。

魚「お? 何これ、うまそうじゃん」

魚「それじゃあ、いただきま――」

魚「ん? ちょっと待って」

魚「これ、なんか怪しいな」

魚「なーんか、動きが不自然というか」

よく見ると、針のようなものが見える。

釣り針

魚「……」

魚「やべー、これあれじゃん、釣りってやつじゃん」

魚「もう少しで引っかかるところやったわ」

魚「危ない危ない……」

魚は額の汗をぬぐう仕草をしながら、その場を通り過ぎた。
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カテゴリー:魚と針シリーズ
テーマ:オリジナル小説  ジャンル:小説・文学

魚と針4


魚A「あ~、また振られたわ~」

魚A「俺の何があかんねん」

魚A「やっぱ顔か、顔なんか」

魚A「はあ~、彼女欲しい」

その時、魚Aは海中に漂う妙なものを見つけた。

魚A「……? え? 何コレ?」

ラブレター

魚A「……ラブレター?」

魚A「まさか俺に? 誰が?」

ふらふらと、吸い寄せられるように魚Aがそのラブレターに口を近づけると、

魚A「ん? ちょっと待って。なに、このとんがったものは」

きらりと、輝く鋭利な針のようなものが目に入った。

釣り針

魚A「これは、もしや……釣り、というやつかな?」

魚A「いや、でも……こんなバレバレな釣り、するやつおらへんやろ」

魚A「これは、やっぱりあれじゃないか? サプライズ的な、遠まわしの告白、というか……」

魚A「いや、でも……針がついてるのはやっぱりおかしいよな……」

魚A「いやしかし、この出会い、とても偶然とは……だがしかし……! しかぁーしぃ!

魚Aは覚悟を決めたかのように目をカッと見開き、

魚A「虎穴に入らずんば虎子を得ず! 危険を冒さずして、彼女ができるかあ!」

ラブレターに向かって大きく口を開けながら飛び掛った。

しかし、その瞬間!

?「ちょっと待ったぁーー!」

一匹の魚が場に割り込んできた。

魚B「そのラブレター、俺宛だから!」

その突然の主張に、魚Aはあきれた。

魚A「はい?」

魚B「だから、そのラブレター、俺のだから!」

魚A「はあ? 意味わからんわ」

魚B「この伝説の釣り針の下で待ってます、って昨日夢の中で言われたから!」

魚A「お前の夢の話なんか知るか!」

魚B「その証拠に、ホラ……」

魚Bは言いながらラブレターを持ち、裏面に何かを書いた。

魚B「証拠に、『あつし様へ』って裏に書いてるやろ?」

魚A「今書いたろ! バレバレやぞ!」

魚B「なんと言おうと、もう俺の名前が入っている以上、俺のですー」

魚A「小学生か!」

魚B「何とでも言え! 俺は彼女が欲しいんや!」

魚A「俺も欲しいんじゃ! それを返せ! 今すぐ!」

二匹は取っ組み合いになり、それはすぐに殴り合いに発展した。

……

魚A「……勝ったどーーー!」

魚B「(気絶)」

魚A「じゃあ早速、中身を……」

プスリ その時、針が魚Aのヒレに深々と食い込んだ。

魚A「あ」

   ◆◆◆

焼きホッケ

ホッケ内 はやと 享年2歳

所詮魚類。頭は弱いのだ。

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魚と針3


魚A「あ~、腹減ったな~」

魚B「ほんまやな~」

魚A「なんか食えそうなもの、無いかなー」

魚B「腹減ったで思い出したんやけどさ」

魚A「ん?」

魚B「最近、この辺りで『釣り』の被害にあったやつがおるみたいやで」

魚A「え? 『釣り』?」

魚B「そうそう」

魚A「『釣り』って、あの『釣り』? 針を口にくわえさせて引っ張りあげるっていう」

魚B「そうそう」

魚A「嘘やん!」

魚B「ほんまほんま」

魚A「いやいや! そんなんありえへん! どこの馬鹿がそんなもんに引っかかるねん」

魚B「嘘じゃないって」

魚A「『釣り』とか都市伝説やろ。子供でもひっかからへんで、そんなもん」

魚B「いや、ほんまやって。こんなこと嘘ついてどないすんねん」

魚A「はいはいわかったわかった。あ~、腹減ったわ~」

魚B「全然信じてないやろ」

その時、魚Aは海中に泳ぐミミズのようなものを見つけた。

魚A「お! 食い物発見! いただきま――」

魚B「待て待て待て待て!」

魚A「なんやねん」

魚B「これ、なんかおかしくない?」

魚A「どのへんが?」

魚B「なんかとんがったものが、針みたいなもんついてね?」

釣り針

魚B「……な? これ怪しいって!」

魚A「え~、そうかなあ~?」

魚B「いやいや、お前なに言うてんねん! どう見ても怪しいやろ!」

魚A「あ、もしかして~」

魚B「なんや、その勝ち誇ったような顔は。むかつくぞ」

魚A「俺に食われるのが悔しいんやろ? だからそんなこと言うてるんやな?」

魚B「へ?」

魚A「そうならそうと、素直に言えって」

魚B「はあ?」

魚A「わかったわかった。これはお前に譲ってやる。俺も腹減ってるけど、俺は心広いからな」

魚B「はあ?! アホか! どう見ても釣りやろ! これは!」

魚A「だから、釣りなんて都市伝説やって」

魚B「はいはい、もうええわ。それなら好きにせえや。俺は帰るわ」

魚A「え? 食べへんの? 遠慮せんでええんやで?」

魚B「誰が食うか! じゃあな!」

そう言って魚Bは場を去っていった。

魚A「すねて帰ってしもた。子供やなー」

魚A「それじゃあ、いただきまーす」

   ◆◆◆

焼きホッケ

ホッケ中 ひろし 享年2歳

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テーマ:オリジナル小説  ジャンル:小説・文学

魚と針2


魚「あ~、腹減ったな~」

魚「なんか食えそうなもの、無いかなー」

魚「お」

魚は海中に泳ぐミミズのようなものを見つけた。

魚「あるじゃ~ん」

魚「それじゃあ、いただきま――」

魚「ん? ちょっと待って」

魚「これ、なんか怪しいな」

魚「なーんか、動きが不自然というか」

よく見ると、針のようなものが見える。

釣り針

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テーマ:オリジナル小説  ジャンル:小説・文学