内臓会議2

人間の頭の中には脳ミソが詰まっている。

脳ミソの中では色んな仕事が行われている。

今回は、そんな脳ミソの多忙な一日をご覧いただこうと思う。

   ◆◆◆

男「いただきます」

一人の男が朝食を摂ろうとしている。

メニューはタマゴかけご飯だ。

茶碗と箸を手に取り、口を近付ける。

男「!?」

唇が触れる寸前、男は動きを止めた。

男「なんか、変なニオイがする……」

   ◆◆◆

直後、脳内で警報が鳴り響いた。

理性「緊急事態だ!」

秘書「どうしたんですか!?」

理性「宿主が腐ったタマゴを食べようとしている!」

秘書「え!? またですか?! 先月もそれやってお腹を壊しましたよね!?」

理性「そうだ、またなのだ! この宿主は懲りない男なんだ!」

秘書「どうします?!」

理性「食べるのをやめるように食欲を説得するしかない! 関係者を会議室に招集してくれ!」

   ◆◆◆

瞬く間に会議室に関係者が集められた。
メンバーは胃などの食に関するものたちだ。

理性「変なニオイがする生卵を食べようとしているようだが、食欲殿、ここはどうかその欲求を抑えてはいただけないだろうか」

食欲「……確かに、危ないかもしれない。でも、僕はどうしても卵かけごはんを食べたいの」

胃「食べるんだな! よし、総員戦闘準備だ!」

腸とか「イエッサー!」

理性「待て待て待て! おまえら慌てるな! まだ説得交渉始めたばっかりだから!」

今回の件に関して、行動の最終決定権は食欲にある。
理性はなんとかして食欲を説得し、腐ったタマゴを食べることをやめさせなければならないのだ。

理性「……おほん、食欲殿、過去の結果から見ても明らかなのだ。過去4回、似たようなニオイがするタマゴを食べ、その結果我々は一度の例外無くひどいめにあっているのだ」

食欲「申し訳ないが、そのデータでは首を縦に振れないなー」

理性「なんで?!」

食欲「データの信頼性が疑わしいかな、って思うんだよなー」

理性「信頼性?!」

本能代理「だって、たった4回なわけじゃん? 今まで運が悪かっただけかもしれないじゃん? 今回はいけるかもしれないじゃん? やっぱり数字を信じるには回数がなきゃ」

理性「ふざけんな! じゃあ、100回腐ったタマゴを食えばいいのか?! アホか、死ぬわ! ていうか、回数の問題じゃねえだろ! これは実験じゃ無いんだよ! ていうか、自分の体で実験とか、どMか?! ていうか、データの信頼性ってお前、なんでそういうことに関しては無駄に知識があるんだよ! テンパりすぎて『ていうか』って3回言っちゃったよ!」

胃「よし、決まったな! 総員戦闘準備だ!」

腸「イエッサー! 状況開始! ムーブムーブ! GoGoGo!」

理性「待て待て待て!」

   ◆◆◆

その後、会議の結果がどうなったかというと――

腸内細菌A(善玉菌)「胃が突破されました!」

腸内細菌B「エネミーインカミング!」

善玉菌隊長「総員構えろ! 視認したと同時に撃て!」

腸内細菌A「敵、来ます!」

直後、ぞろぞろと菌の集団が腸内になだれ込んできた。

ヤバイ菌A「ヒャッハー! 侵略だー!」

ヤバイ菌B「今日からこの腸は俺たちのものだ!」

ヤバイ菌C「屈服か死か選べ! 慈悲を与えてやる!」

善玉菌隊長「来たぞ! 撃て! 撃ちまくれ!」

この第五次腸内大戦は辛くも善玉菌達の勝利に終わった。
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テーマ : オリジナル小説
ジャンル : 小説・文学

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稲田 新太郎

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