熊さん2

熊さん

俺は熊。高校生だ。
そして今、俺は二人の友達と一つの机を囲んで話している。

友達A「……でさー」
友達B「だよなー」

俺はタイミングを伺っていた。

友達A「そういえば、あの大作RPGの最新作、もうすぐ発売だな」
友達B「ほんと楽しみだわー。俺、絶対徹夜しちゃうわ」

熊(来た!)

すかさず机の中に手を突っ込む。

友達A&B「?」
俺の速い動きに二人の友達の目が釘付けになる。

するり、と取り出す。
だが全部は出さない。見せるのはまだ一部だけ。ゆっくり、じっくりとだ。

何を見せようとしているのか、それに気づいた友達Aの目が驚きに見開く。
友達A(あれは! 大作RPGの最新作!!!)
友達B(馬鹿な! 発売までまだ一週間もあるぞ!)

勝った。何かに。
俺はその確信を持って口を開いた。

熊「俺さー。実はさー。その」友達B「なあA! 昨日のあのドラマ観たか!?」

友達A(違う話題を振って阻止する作戦か! しかも話題は熊が苦手とするドラマ! ナイスパスだ、B!)
「ああ、観たよ。最高だったな! 特にあのヒロインが泣き崩れるシーンなんて感動したよな!」

友達B「え? ああ、うん! そうだな!」
友達A(お前話振っといて観てないのかよ!)

再び勝機! 俺はすかさず口を開いた。
熊「でさー、さっきのゲームの話なんだけ」友達A「なあB、来週提出の英語のプリント、お前もう終わらせてたよな? 悪いけど写さしてくんね?」

Bは嬉々としながら自分の席に戻り、机から英語のプリントを取り出して戻ってきた。
友達B「ほらよ」友達A「さんきゅー」
Aはにやにやしながらプリントを自分のかばんの中に入れた。

熊(……そうか、あくまでも、俺に喋らせない気か)

熊(ならば、こちらにも考えがある)

俺は再び机の中に手を突っ込んだ。

友達B(まずい! 何も言わずに取り出す気だ!)
ここまでか、Bがそう思った時、Aが活路を見出した。

友達A「あ、俺ちょっと便所行ってくるわ」
友達B「あ、俺も」

二人はさっさと背を向け、教室を出て行った。

   ◆◆◆

二人が戻ってきたのは休み時間終了間際になってからであった。

友達A「で、何の話だっけ?」
熊「遅いわあ! もう休み時間終わるやないかあ!」
友達A「待て! 慌てるな! まだ三十秒ある! 活力あふれる年頃の高校生がこんなことであきらめてどうする! この三十秒に全力を出せ!」
熊「台詞が長いわあ! もう残り時間ほとんど無いやないかあ!」

 きーんこーんかーん

教師「お前ら授業だ。席に着けー」
友達A「解散ー」
熊「hごいsrhごせjrご;えjろgj」
教師「うるさいぞ、熊」
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テーマ : オリジナル小説
ジャンル : 小説・文学

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稲田 新太郎

Author:稲田 新太郎
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