魚と針3

魚A「あ~、腹減ったな~」

魚B「ほんまやな~」

魚A「なんか食えそうなもの、無いかなー」

魚B「腹減ったで思い出したんやけどさ」

魚A「ん?」

魚B「最近、この辺りで『釣り』の被害にあったやつがおるみたいやで」

魚A「え? 『釣り』?」

魚B「そうそう」

魚A「『釣り』って、あの『釣り』? 針を口にくわえさせて引っ張りあげるっていう」

魚B「そうそう」

魚A「嘘やん!」

魚B「ほんまほんま」

魚A「いやいや! そんなんありえへん! どこの馬鹿がそんなもんに引っかかるねん」

魚B「嘘じゃないって」

魚A「『釣り』とか都市伝説やろ。子供でもひっかからへんで、そんなもん」

魚B「いや、ほんまやって。こんなこと嘘ついてどないすんねん」

魚A「はいはいわかったわかった。あ~、腹減ったわ~」

魚B「全然信じてないやろ」

その時、魚Aは海中に泳ぐミミズのようなものを見つけた。

魚A「お! 食い物発見! いただきま――」

魚B「待て待て待て待て!」

魚A「なんやねん」

魚B「これ、なんかおかしくない?」

魚A「どのへんが?」

魚B「なんかとんがったものが、針みたいなもんついてね?」

釣り針

魚B「……な? これ怪しいって!」

魚A「え~、そうかなあ~?」

魚B「いやいや、お前なに言うてんねん! どう見ても怪しいやろ!」

魚A「あ、もしかして~」

魚B「なんや、その勝ち誇ったような顔は。むかつくぞ」

魚A「俺に食われるのが悔しいんやろ? だからそんなこと言うてるんやな?」

魚B「へ?」

魚A「そうならそうと、素直に言えって」

魚B「はあ?」

魚A「わかったわかった。これはお前に譲ってやる。俺も腹減ってるけど、俺は心広いからな」

魚B「はあ?! アホか! どう見ても釣りやろ! これは!」

魚A「だから、釣りなんて都市伝説やって」

魚B「はいはい、もうええわ。それなら好きにせえや。俺は帰るわ」

魚A「え? 食べへんの? 遠慮せんでええんやで?」

魚B「誰が食うか! じゃあな!」

そう言って魚Bは場を去っていった。

魚A「すねて帰ってしもた。子供やなー」

魚A「それじゃあ、いただきまーす」

   ◆◆◆

焼きホッケ

ホッケ中 ひろし 享年2歳
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テーマ : オリジナル小説
ジャンル : 小説・文学

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初めまして

面白くてついつい
読んでしまいましたw

しかもホッケ美味しそう!!(´∀`σ)σ
魚が食べたくなっちゃいましたw

Re: 初めまして

> 面白くてついつい
> 読んでしまいましたw
>
> しかもホッケ美味しそう!!(´∀`σ)σ
> 魚が食べたくなっちゃいましたw

ありがとうございます。励みになります。
魚ネタはもうしばらく続けてみる予定なので、これからもよろしくお願いします
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稲田 新太郎

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