魚と針

魚「あ~、腹減ったな~」

一匹の魚が愚痴をもらしながら、海の中を回遊していた。

魚「なんか食えそうなもの、無いかなー」

魚「お」

魚は海中に泳ぐミミズのようなものを見つけた。

魚「あるじゃ~ん」

魚「それじゃあ、いただきま――」

魚「ん? ちょっと待って」

魚「これ、なんか怪しいな」

魚「なーんか、動きが不自然というか」

よく見ると、針のようなものが見える。

釣り針

魚「……」

魚「んーーーーーー……」

魚「これは、やめておくべきか?」

魚「君子危うきに近寄らず、とか言うし」

魚「よく考えたら、そんなにお腹空いてないし」

魚「一時の食欲に流されて、命のリスク背負うっていうのもな」

魚「……」

魚「いや、違うな。違う違う。そうじゃないわ」

魚「食うか、食われるか、っていうのはそういうことじゃないわ、うん」

魚「俺とお前の真剣勝負! みたいな、そういうことやろ」

魚「俺が腹減ってるとか、減ってないとか、そんなん関係無いわ」

魚「あかん、恥ずかしいわ。俺としたことが言い訳がましいこと、女々しいこと言うてしもうた」

魚「出会っちまったら、もう勝負しかないんや! そうやろ!」

魚「じゃあ、いただきまーす」

   ◆◆◆

焼きホッケ

ホッケ田よしお 享年3歳
スポンサーサイト

テーマ : オリジナル小説
ジャンル : 小説・文学

コメントの投稿

非公開コメント

No title

こんばんは。

昔、天然うなぎを食べた人のジョークだと
思うのですが、そのうなぎから釣り針が
出てきたそうです。

よくあるジョークだと思うのですが
うなぎ針は剛性が高いためあり得る
話だと思いました。

Re: No title

> こんばんは。
>
> 昔、天然うなぎを食べた人のジョークだと
> 思うのですが、そのうなぎから釣り針が
> 出てきたそうです。
>
> よくあるジョークだと思うのですが
> うなぎ針は剛性が高いためあり得る
> 話だと思いました。

なんとまあ……
ちょっと怖くなるお話ですね。
プロフィール

稲田 新太郎

Author:稲田 新太郎
音楽好きな物書き。ゲームも好き

アクセスカウンター
(14/01/05設置 ユニーク数)
カテゴリ
最新記事
フリーエリア
17/02/27