薔薇と葛

皆様は葛(くず)という植物をご存知だろうか。
他の植物に巻きついて成長するつる性の多年草で、
葛餅(くずもち)という和菓子の材料である。

葛

この葛という植物はとても成長が早い。
人類がいなくなれば地球は葛に覆われるだろう、なんて話もあるくらいだ。

生命力も強く、茎を切っても根が残っていればそこから再生する。

これに巻きつかれる植物はたまったものではない。
茎が弱い植物だとその締め付けと重量に耐えられず、枯れてしまう。

その暴虐っぷりから、この葛という植物は世界の侵略的外来種ワースト100に選ばれている。
しょうがないね。

そして、あるところに、その暴威に晒されるか弱い植物の姿があった……。
 
   ◆◆◆

薔薇(♀)「ちょっと、やめて、何するの!」

薔薇

葛(♂)「ごめんねお嬢さん、巻きつかせてもらうよ^^」(※性別はイメージです)

薔薇(♀)「いや、離して!」

葛(♂)「そう言われてもね、近くに巻きつけそうなのが君しかいないから^^」

薔薇(♀)「離さないと、トゲで刺すわよ!」

葛(♂)「そんなのきかないよ^^」

シュルシュルと、葛が薔薇に巻きつく。

薔薇(♀)「痛い! 重い!」

葛(♂)「大丈夫、最初だけだから。すぐに慣れるよ^^」

薔薇(♀)「誰か、誰か助けてええええ」

葛(♂)「こんな辺鄙な場所に助けなんて来ないよ^^」

薔薇(♀)「いやあああああ」

絶対絶命――だが、その時!

?「バウバウ!」

葛「ん?」

犬「バウバウ!」
人間「おいおい、あんまり走るなよ」

葛「なんだ? なんでこんなところに人間が?」

人間「ん?」

人間「お、きれいな薔薇が咲いてるな」

人間「いいものが見れたなー。たまには散歩コースを変えてみるのも悪くないな」

犬「バウバウ!」

人間「うーむ、しかし見事な薔薇だな」

人間「……持ってかえって庭に植えるか」

葛「え、ちょ」

人間はスコップ(犬のウ○コ回収用)を取り出し、薔薇の傍に歩み寄った。

人間「ん? 葛に巻きつかれてるのか。ったく、邪魔だな」

ブチブチ

葛「ぎゃあああああ」

人間は葛を引きちぎり、スコップで薔薇を回収した。

薔薇「ありがとうございます!」

葛「おのれ……。だが、俺は根がある限り、何度でも復活……」

人間「葛の根も回収ー」

葛「え、ちょ、ぎゃあああああ」

その後、回収された根っこは葛切りにされ、おいしくいただかれたという。

葛切り
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テーマ : オリジナル小説
ジャンル : 小説・文学

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