アルパカさん

アルパカさん

小アルパカ「いやー相変わらず立派な首やなー」
大アルパカ「ん? そうか?」
小アルパカ「うらやましいなー」
大アルパカ「褒めても何も出ないで」
小アルパカ「どうしたら、そんな風になれるん?」
大アルパカ「うーん。難しい質問やな。まあ、君も大人になれば嫌でもこうなるよ」
小アルパカ「いいなー。僕も早く大人になりたいなー」
大アルパカ「……大人になるってことは、そんなに良いことばかりじゃないんやで」
小アルパカ「そうなん?」
大アルパカ「そうや」
小アルパカ「嫌なことって、例えば?」
大アルパカ「……うーん、嫌なことを知るよりも別のことを知ったほうがいいで」
小アルパカ「別のことって、それはなんなん?」
大アルパカ「心の中に強い芯を持つんや」
小アルパカ「よくわからない」
大アルパカ「大人になったら嫌なことはいくらでも味わえる。でも、それに負けない強い心を持つんや」
小アルパカ「強い心?」
大アルパカ「そうや。表面ではいくらでも媚びへつらってええ。時にそうしなければならない事がある。でも、心の中では『なにくそ』って思えるような強い心を身に着けるんや」
小アルパカ「やっぱりよくわからないよ」
大アルパカ「今は知らんでもいいよ」

その時、一匹のキリンが通りがかった。

キリンさん

キリン「……あれ? 大アルパカ君じゃないか?」
大アルパカ「……あ! 部長! 奇遇ですね!」
キリン「接待が中止になってな。ちょっと通りがかっただけや」
大アルパカ「今日も仕事でしたか。それは大変でしたね」
キリン「管理職のつらいところやな。ところで、何の話をしてたん? 首がどうとか聞こえたけど」
大アルパカ「いやー、この子がですね、私の首がうらやましいと」
キリン「ほう」
大アルパカ「まあ、でも! 部長の首には敵いませんけどね!」
キリン「まあ、キリンやしな。首には自信あるで」
大アルパカ「いやー日本一の首ですよ!」
キリン「褒めすぎやろ!」

その後、大アルパカのヨイショはしばらく続いた。
そんな大アルパカの姿を見て、大人になることのしょっぱさを少しだけ知った小アルパカであった。
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稲田 新太郎

Author:稲田 新太郎
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