熊さん8

熊さん

俺は熊。高校生だ。

そして今、俺は友達と一緒に青年雑誌のグラビアページを開いている。
 
友達「おー、今週のグラビアは五月ちゃんかー」
熊「……」
友達「最近よく見るなー。まあ可愛いしなー。当然か」
熊「……」
友達「顔が良くて、スタイルも抜群! 後は性格がどうかってことだけやな」
熊「……」
友達「……どうした? さっきから黙って。お前五月ちゃん嫌いなの?」
熊「……ワイは知ってしまったんや」
友達「突然なんや」
熊「……この五月ちゃんが霞むくらいのグンバツをワイは知ってしまったんや!」
友達「グンバツってお前、表現が古いな! で、そのグンバツってのは誰や?」
熊「名前は知らん」
友達「え? どういうこと?」
熊「その人はワイの家の近所に住んでるんや」
友達「マジかよ! その人、年はどれぐらいや?」
熊「う~ん、見た目、高校生では無いな。大学生と社会人の中間くらいやな」
友達「年上か。まあ、それは別にええ。問題は五月ちゃんが霞むくらいのグンバツやってことや。それ、ほんまにマジか?」
熊「マジもマジや。ワイは余裕で一目ぼれしてもうたわ」
友達「マジかよ。お前、その子の写真撮ってきてくれへん? 俺も見たいわ」
熊「ええで。今度すれちがったら、そん時にこっそり撮っとくわ」

   ◆◆◆

一週間後、熊はその子の写真を友達に見せた。

熊「……」
友達「……」
熊「どや?」
友達「……」
熊「声も出えへんのか。まあしゃあない」
友達「……」
熊「でもお前、なんとか言えよ。なんかあるやろ」
友達「……」

その写真には一匹のメス熊が写っていた。

友達「お前が熊やってこと、忘れてたわ」

人間と動物では感性が違うのだ。
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テーマ : オリジナル小説
ジャンル : 小説・文学

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No title

人間と熊はやっぱり違いますね笑
熊も五月ちゃんのことは好きなんですか?笑
気になったのですが、熊はどこに住んでるんですか??
やっぱり、動物園なのかな?笑

Re: No title

この世界の一部の動物達は人間の言葉を話すことが出来、人間たちと同じように考えて行動できています。
そういう動物達(熊を含む)は人間社会で人間達と同じように生活しています。
逆に人語を話せない、文化的な生活を送る能力を有していない動物達も多数残っており、
そのような動物達はペットや家畜、または野生での生活を送っています。
そしてごく一部、極めて少数ですが、人間的な能力を有しているにもかかわらず、それを隠して生活している動物もいます。
第三話と第五話では、熊がそのごく一部のグループの一匹になろうと画策します。動物園へ就職し、野生動物のふりをして人間達から金銭を騙し取ろうとするという、少しブラックなお話になっています。
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稲田 新太郎

Author:稲田 新太郎
音楽好きな物書き。ゲームも好き

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